言語化の基本

言語化力の鍛え方|一人でできる練習とお題20

コトミア編集部公開 読了 約6分

頭の中では分かっているのに、口に出すとうまく言えない。言語化力は才能ではなく、声に出した回数で伸びる力です。この記事では、言語化力とは何かを5つの要素に分けたうえで、一人でできる3つの練習方法と、そのまま使えるお題20個を紹介します。

朝、オフィス街の並木道を歩きながら、スマートフォンに向かって小さく話して練習している人のイラスト
机に向かわなくても、移動中の30秒で練習できる。

言語化力とは

言語化力とは、頭の中にある考えを、その場で整理し、相手に伝わる形に変えて、自分の言葉で出す力です。言葉をどれだけ知っているか(語彙力)とは別で、知っている言葉を、必要なときに、伝わる順番で出せるかどうかの力です。

書く場面と話す場面のどちらにも関わる力ですが、この記事では、会議や1on1で困ることの多い「話す」場面に絞って紹介します。

ひとことで「言語化力」と言っても、つまずくところは人によって違います。コトミアでは、次の5つに分けて見ています。

要素見ていること
明確化結論・立場がはっきり伝わるか。最初の一言で「何を言いたいか」が分かるか
構造化主張→理由→例→結論、と話の骨格が通っているか。脱線せず筋が見えるか
根拠化「なぜそう言えるのか」の理由があり、それが結論を支えているか
具体化例・場面・数字で主張を裏づけられるか。抽象論で終わっていないか
簡潔化一文が長すぎず、前置きや言い直しがなく、聞きやすいか

全部を一度に直そうとしなくて大丈夫です。自分がどこでつまずいているかが分かれば、練習することは1つに絞れます。

言語化が苦手になる3つの理由

頭の中では「分かったつもり」になっている

考えているときは、言葉にならないまま「なんとなく分かった」状態で先に進めてしまいます。声に出して初めて、つながっていなかった部分や、ぴったりの言葉がない部分に気づきます。

書くより、話すほうが難しい

書くときは、消して並べ替える時間があります。話すときはその場で順番を決めなければいけないので、整理が追いつかず、思いついた順に話してしまいます。

声に出す練習の量が足りない

言語化の本を読んで、型を知ったところで止まってしまうことはよくあります。泳ぎ方を読んでも泳げないのと同じで、その場で言葉にする力は、実際に話してみないと身につきません。

鍛え方の基本:話す → 聞き返す → 別のお題で使う

練習の流れは、どの方法でも同じです。

1お題に30秒で答える声に出して録音2録音を聞き返すどこでつまずいた?3型を1つだけ決める結論ファーストなど4別のお題で使う使えたかを確かめる使えたら、次の型へ
大事なのは最後の段階。同じお題で言い直すと暗記になるので、次は必ず別のお題で試す。

ポイントは、一度に直すのは1つだけにすることです。「結論を先に言う」「理由を1つに絞る」のように、1回の練習で意識するのは1つの型だけにします。

一人でできる3つの練習

練習1:1日1問、30秒で答える

意見が分かれるお題を1つ選び、3秒で答えを決めて、30秒で話します。最初の1文を「私は〇〇だと思います」で始めるだけで、話の筋が通りやすくなります。

  1. お題を1つ選ぶこのあとのお題20から選んでかまいません
  2. 3秒で答えを決める仮の答えでいい。迷ったら、少しでも近いほうを選ぶ
  3. スマホで録音しながら30秒話す最初の1文は「私は〇〇だと思います」
  4. 最初の1文だけ聞き返す答えになっていたかどうかだけを確かめる

詳しいやり方は「会議で急に振られても話せる「結論ファースト」の練習法」で紹介しています。

練習2:今日あったことを話す

1日の終わりに「今日はどんな1日だったか」を1分ほど話します。お題に答えるより、自分の出来事のほうが言いたいことがはっきりあるので、「ぴったりの言葉が出てこない」に気づきやすいのが利点です。

話すときは、次の順番を意識すると筋のある話になります。

  1. 何があったか(出来事)
  2. どう感じたか(気持ち)
  3. なぜそう感じたのか(理由)

人に何かを説明するときの組み立てそのものなので、仕事での報告や相談の練習にもなります。

練習3:「たとえば」と「つまり」を往復する

話が抽象的なまま終わる人は「たとえば」を、具体的な話だけで終わる人は「つまり」を足す練習をします。

BEFORE
チームの連携をもっと良くしたいと思っています。コミュニケーションが大事なので。
AFTER
チームの連携をもっと良くしたいです。たとえば、週1回15分だけ全員の進捗を共有する時間を作る。つまり、困っている人に早く気づける状態にしたいんです。

「たとえば」で具体的な場面を1つ足し、「つまり」で自分の意見に戻ります。抽象的な主張だけでも、具体例だけでも伝わりにくいので、両方をそろえるのがねらいです。

今日から使える練習のお題20

答えが1つに決まらない、意見が分かれるお題が練習に向いています。同じお題は繰り返さず、毎日別のお題で試してください。

仕事のお題

  1. 会議は少人数と大人数、どちらが良い?
  2. リモートワークと出社、どちらが成果が出る?
  3. 新人にまず任せるべき仕事は何?
  4. チャットの返信は速いほうが良い?
  5. 仕事で一番大事な能力を1つ挙げるなら?
  6. 上司に求めることを1つ挙げるなら?
  7. 残業が減らない一番の理由は?
  8. 副業は会社にとってプラスかマイナスか?

日常のお題

  1. 最近買ってよかったものと、その理由は?
  2. 休日は予定を入れる派?入れない派?
  3. 朝型と夜型、どちらが得をする?
  4. 人に勧めたい本や映画を1つ紹介するなら?
  5. 一人旅と誰かとの旅行、どちらが好き?
  6. 10年前の自分に1つだけ伝えるなら?

意見が分かれるお題

  1. AIに文章を書かせるのは、ずるいことか?
  2. SNSは人を幸せにしているか?
  3. 学生のうちに一番やっておくべきことは?
  4. 「空気を読む」は必要な力か?
  5. 転職は何年目までにするのが良い?
  6. 「好きなことを仕事に」はするべきか?

上達したかを確かめるチェックリスト

録音を聞き返すときは、次の5つを順に確かめます。上の5つの要素に対応しています。

  • 最初の1文で、答えを言っているか(明確化)
  • 話の順番が、結論→理由→例になっているか(構造化)
  • 理由が、結論を本当に支えているか(根拠化)
  • 「たとえば」で具体的な場面を1つ入れているか(具体化)
  • 「えっと」や言い直しが多すぎないか(簡潔化)

全部に◯が付く必要はありません。前回より1つ◯が増えていれば、練習はうまくいっています。

よくある質問

書いて練習するのではだめ?

書く練習も役に立ちますが、書くときは考え直す時間があります。会議や1on1で困るのは「その場で」言葉にする場面なので、声に出す練習を中心にしたほうが本番に近づきます。

どれくらい続ければ変わる?

期間は人によって違うので、日数ではなく「別のお題でも使えたか」で判断してください。たとえば結論ファーストなら、意識しなくても最初の1文で答えられる日が続いたら、次の型に進む目安です。

本を読むだけでは身につかない?

型を知るには本が役立ちます。ただ、知っている型と、その場で使える型は別物です。読んだ内容は、その日のうちに1回声に出して使ってみてください。

この練習をアプリで

お題に声で答えると、5つの力でフィードバックが返ってきます

コトミアは、自分で言語化する力を鍛えるトレーニングアプリです。毎日のお題に声で答えると、話し方と中身の両面からフィードバックが返ってきます。今日あったことを話す日記も、保存は無料で使えます。

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コトミア編集部話し方トレーニングアプリ「コトミア」の運営チーム。アプリ内の話し方テクニックをもとに記事を書いています。